封印した乾板で行われた念写の学術実験
どんな伝承か
大正二年五月十日の朝、高橋宮二から、妻の貞子の気分がよいので実験したいと申し出があり、福来友吉は乾板一ダースを買って封印し、床の間の厨子に納めて自ら見張った。夜八時、久保良英や井上哲次郎らの学者が立ち会うなか、高橋はまず皆の持ち物を改め、持ち込まれていた別の乾板を見つけて壊した。貞子は乾板を押し戴いて精神を統一し、上の包みの一枚に左手の指三本を、中の包みの一枚に天の字を写すと告げて倒れた。現像すると指の形と逆さの天の字が現れ、本人の意識しない金の字や丸い形も出ていた。福来は潜在意識の念写も見いだし、もはや念写に疑いはないと断じた。
原典より
右の天、指形は高橋夫人の意思による念写ですが、金の字と丸い物は夫人の無意識中に念写したものでした。—— 念写発見の真相(山本健造・念写・超心理研究・1980年(昭和55年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
念写発見の真相(山本健造・念写・超心理研究・1980年(昭和55年))
『念写発見の真相』は、飛騨に住む山本健造が著した福来友吉の伝記と学説紹介の書で、はしがきは昭和五十五年十一月三日付である。念写を発見した福来の幼少期から、東京帝大での透視・念写実験と追放、宣真女学校長・高野山大学教授の時代、仙台での晩年までをたどり、著者による高山市の福来博士記念館建設の経緯や六次元の原理を述べる。全十五章からなり、第二章に福来の論文「弘法大師の御霊影」を再刊のことばとともに収める。