念写を唱えて職を追われた東大教授
どんな伝承か
写真の普及とともに、死者の霊が写り込むという心霊写真が取り沙汰されるようになった。霊の存在の証明になると考える者も現れたが、多くは仕掛けと分かり相手にされなくなる。では仕掛けによらず超能力で写るものはないのか。日本の福来友吉は一九一〇年、心の働きで感光や撮影が起こりうるとして念写を唱えた。この語は外国の文献では thoughtgraphy と訳される。福来は明治期の東大教授で超心理学に関心を寄せていたが、念写が世間を騒がせ、科学思想の移植が重んじられた時代に迷信を勧める者と見なされて教授の職を去った。彼は三枚重ねた乾板の中央の一枚だけに文字を念写させ、放射線によるものでないことを示した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
超能力の世界(宮城音弥・1960年代~1970年代推定)
本書は著名な心霊研究者・宮城音弥による超能力および超常現象の総合的解説著作である。テレパシー、透視、遠感などのESP現象から、念力やPK現象、ポルターガイスト、念写に至るまで、世界の心霊研究の歴史的事例と実験的検証を網羅している。パイパー夫人やエウサピア・パラディーノなどの著名な霊媒の事例、ラインらデューク大学による統計的手法を用いた実験的超心理学の発展、日本の予知夢事例や幽霊目撃の記録など、学術的なアプローチと民間の報告事例を併記。