西桂村福昌寺の念写実験
どんな伝承か
大正七年九月八日、山梨県西桂村の福昌寺で念写の実験が行われた。証明書によれば、乾板の二枚目に「念」の一字、四枚目に「専間」の二字、六枚目に「釋門」の二字を写すことが要求され、これに与えられた時間は総計三十分であった。実験が終わるとただちに実験室を暗室とし、一枚につき五分間ずつをかけて現像した。その結果、二枚目に「念」、六枚目に「門」が明瞭に現れ、「釋」は一部のみが写り、四枚目には定まった形をもたない局部的な感光が認められたという。術者の渡邊偉哉が乾板に一切手を触れなかったことも、立会人によって証明された。
原典より
七、現像の結果、二枚目に念の一字現はれ、四枚目には無定形の局部感光現はれ、六枚目には釋門の門の一字明かに現はれ、釋は一部のみ僅に現はれたり。—— 現代心霊現象之研究(エッチ・カーリントン・心霊研究・1924年(大正13年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代心霊現象之研究(エッチ・カーリントン・心霊研究・1924年(大正13年))
『現代心霊現象之研究』は、米国のエッチ・カーリントンが一九一九年に著した『現代心霊現象』の関昌祐による訳書で、訳者の序辞は大正十三年五月二十日付である。心霊現象と進化論・心理学・生物学・倫理学の関係を論じる部と、霊媒ユーサピアの回想、幽霊、心霊写真、心霊体の投影、憑きもの、エルバーフェルトの馬、植物の霊などを扱う部から成る。巻頭に福来友吉の序文、巻末に山梨県の渡辺偉哉の念写実験と福来の念写理論を記す附録と、水晶球凝視の実験報告を置く。