渡邊偉哉の念写成功と福來博士の条件
どんな伝承か
山梨県南都留郡鳴沢村出身の渡邊偉哉は、西桂村の小学校で教えていたころ、自分にも念写ができると信じて修養を積み、二月十一日に成功した。得意になって上京し、福來博士に結果を報告すると、博士は実験の心得をいくつか授けた。乾板は研究者が選ぶこと、能力者は乾板に手を触れず現像室にも入らないこと、立ち会った研究者から責任ある学術的な証明書をもらっておくことである。前の三つは乾板の神聖を守るのに欠かせないという。教育者の渡邊はこの考えをよく理解し、その条件で実験を重ねて、人柄の確かな三十三人の証明書を得た。博士は、念写を詐欺や手品と決めつける時代はもう過ぎたと述べている。
原典より
自分にも念寫が出來るとの確信から修養を積んで、昨今二月十一日に成功した。—— 靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)
『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。