符の灰をまいた男に返った呪い
どんな伝承か
中野に住む四十歳の男は、妻と別れてでも添いたいと思うほど入れあげた相手に裏切られたと考え、深く恨んだ。何度も弁解を受け入れたものの、自分の海外出張中に相手が黙って旅行していたと知って別れを決め、以後は電話にも応じなかった。日がたつほど怒りは募り、彼は書物で覚えた作法にならって符を書き、それを焼いた灰を女の住むアパートのまわりに毎朝まいた。三か月ほど過ぎた昭和五十八年四月、女は心臓の発作で運ばれ、命はとりとめたものの持病を抱えて働けなくなる。ところが今度は男自身が階段から落ちて右腕を折った。呪いが返ったのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の謎-新版タナトロギー入門(中岡俊哉・1990年(平成2年))
『霊魂の謎-新版タナトロギー入門』は、昭和四十八年に新書版で出た『タナトロギー入門』を、中岡俊哉が文庫化にあたって大幅に加筆・訂正した心霊研究の本で、まえがきは一九九〇年九月付である。著者自身の霊体験から説き起こし、背後霊・地縛霊・騒霊・悪霊・祖先霊・金縛り・淫霊の事例、臨死体験と転生、死者の声の録音や自動書記、恐山のイタコ、心霊治療、心霊写真の鑑定を国内外の例で述べる。まえがきでは「七疑三信」という著者の調査の立場を語っている。