多鯰が池
どんな伝承か
松江藩の弓道指南役子松源八の娘八重は、生まれつき両腋に魚の鱗のようなものがあったと伝わる。十六歳のとき乳母とともに伯耆大山へ参詣し、その帰りに赤松池へ立ち寄ると、急に池へ飛び込んでしまった。驚く乳母に八重は、自分の住処はこの池だと告げ、両親への不孝を詫びてほしいと言い残し、閏年の氏神の祭には必ず帰るから盥に清水を張って待てと頼んで水に沈んだ。八重は竜になったといい、子松家では祭日に盥の水を供えると、朝の清水が夕には濁ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。