多鯰が池
どんな伝承か
多鯰が島のほとりに、昔、長者があってひとり娘の美人がいた。娘は夜な夜な美味しい柿をみんなにもてなしたが、このあたりに柿の木はない。毎朝、濡れた草履が立てかけてあるのに気づいた男たちが後を追うと、娘は池に近づくと黒髪を振り乱し、八つの角を振り立てて蛇体となり、沖の島に泳ぎついて柿をとっていた。正体を見破られた娘は蛇体になって池に飛び込んだ。長者が毎日池辺に立って呼ぶと蛇体が現れ、あきらめてくださいといって自分の片目をえぐり取って形見に差し出した。この目をかたどって作ったのが蛇の目がさだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。