自動書記「天地大本大御神」
どんな伝承か
上田喜三郎はいかさま賭博の一派に恨まれ、浄瑠璃の温習会で自慢の喉を聞かせている最中に襲われ、多勢に半死半生の袋叩きにされた。気を失った彼は村人たちに担がれて牧場の小屋へ運び込まれ、応急の手当てでやっと正気づいたが、頭は割れそうに痛み、五体は腫れ上がって血が吹き出し起き上がれない。みなが引きあげた後、うとうとしながら疼く傷に耐えていると、体の疼きとは別に、自分の肉体とは違うところから来るような奇妙な感情が湧き出した。彼は起き上がって机の前に座り、しきりに墨をすり、一気に「天地大本大御神」の七文字を書いて紙を押しいただき、壁に貼って平伏した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界(加藤正民・たま出版・心霊/予言・現代(評論)/明治〜昭和(対象))
加藤正民が「天下の浪士」の立場から、出口王仁三郎(1871-1948)を心霊的視座で描く評論。明治25年の出口ナオの神がかり(艮の金神・三千世界一度に開く梅の花)、水行の奇蹟、無筆のナオの自動書記、日清・日露戦争予言の具体的中を起点に、国祖隠退の大本神話と、ナオ(A)と王仁三郎(B)に具現した二大霊流・「火水の戦い」を論じる。