しゃっくりと失せ物を当てた女中のブランセット
どんな伝承か
松村介石の家に仕えていた女中のおよしはブランセットの名手で、居合わせた人の名を詠み込んだ歌を作ってみせ、評判になっていた。松村の家の近くには母堂が別に住んでいて、そこにいる知人のしゃっくりが止まらず、医者に診せても治らなかった。松村の妹の勧めでおよしにブランセットをさせると「転地せよ」と出たので、住まいの大森から東京へ移らせたところ、しゃっくりはたちまち止まった。また母堂が金入れの置き場所をどうしても思い出せずにいたとき、裏で洗濯をしていて知るはずのないおよしがブランセットを使うと、座敷の北の端にある筆筒の二番目の引き出しの奥と書き、本当にそこから見つかったという。
原典より
やらせると「転地せよ」と書いた、住居の大森から東京へ転地させたるに直ちに止まつた。—— 心霊現象と死後の生活(梶天真・心霊研究・死後の生活) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象と死後の生活(梶天真・心霊研究・死後の生活)
『心霊現象と死後の生活』は、梶天真が諸家の所説を集めて編んだ心霊研究の書である。欧米の心霊研究の動向、死後の生存と輪廻転生、幽霊・神憑り・交霊・精神感応などの現象を、松村介石、森田正馬、小熊虎之助らの説や、雑誌『婦人世界』『変態心理』に載った論を引いて紹介する。四篇に分けて各篇を小見出しで細かく区切り、霊媒ユーサピアの実験、霊能の贋物の種明かし、占い棒による水脈探しなどの事例も載せる。