市ヶ谷の林に立つ青白い女
どんな伝承か
維新より前のこと、勝海舟が夜更けに牛込市ヶ谷を通りかかると、深い林の中に、提灯も持たず青白い顔をした女が立っていた。ここで逃げ出していれば幽霊話で終わったところだが、海舟は怪しい者と見て一刀のもとに斬ろうと決め、柄に手をかけて近寄った。すると相手のほうから、どうか命を助けてくれと声がかかる。驚いて事情を聞けば、女の正体は新宿の女郎で、楼主の虐待に耐えかね、夜中にひそかに逃げ出してきたのだった。幽霊の正体を見たという幻滅の実例である。
原典より
勝海舟が維新前に、牛込市ヶ谷を夜中に通つたら、其の深林の中に、青白い顔の婦人が無提灯で立つてをつた。—— 心霊現象と死後の生活(梶天真・心霊研究・死後の生活・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象と死後の生活(梶天真・心霊研究・死後の生活・大正〜昭和(戦前))
戦前の心霊研究の主張と具体的交霊事例・懐疑(贋物の検証)を併せ収めた心霊論集。