文時の家に礼した鬼神
どんな伝承か
『古今著聞集』による。いずれの年か、天下に疫病が流行したとき、ある人の夢に、恐ろしげな鬼神どもが文時三品(菅原文時)の家の前を、みな拝んで通った。「あれは何ゆえに、そうかしこまるのか」と問うと、鬼神は「『隴山雲暗、李将軍の在家』と作った人の家を、どうしてただ無礼に過ぎてよいものか」と答えた。鬼神も心確かで、このように礼儀も深く、それによって文をうやまうのである。一道に長じた人には、昔も今もこのような不思議が多いという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。