古今著聞集の礫を打つ怪
どんな伝承か
『古今著聞集』に、我が国の騒ぐ幽霊の古い記録として次の話が見える。三条の前右大臣の白河の亭に、どこからともなく礫を打つことが雨のようにあり、人々は怪しみ驚いたが、何の仕業とも分からなかった。次第に激しくなり、一日一夜に盥二杯ほども打ち込まれた。どうすれば止められるかと人々がさまざまに議論しても妙案が出ないところへ、ある田舎侍が、止めるのはたやすいこと、殿方はめいめいに狸を集め、また酒を用意されよと申し出た。そのとおりにしたところ、以後、礫を打つことはやんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象の科学(小熊虎之助・大正期(1912年頃推定))
心霊現象の科学的検証(小熊虎之助)/詐欺事件と夢のお告げ/幻覚・錯覚の心理/暗示と変態心理/迷信打破と科学的態度