高倉泰通の屋敷で常に化けた狐
どんな伝承か
『古今著聞集』に、大納言高倉泰通が狐狩りをしようとして取りやめた話がある。「大納言泰通卿の五条坊門高倉の亭は、父侍従大納言の家にてふるき所也。相つづきてすまれける程に、狐おほく常にばけけり」とあり、常に化けたというのがどのようなことであったかは記事がない。著者は、狐は山よりむしろ平地に多く、集団部落に接近して巣穴を営み、群れをなすことも多い動物であるとし、昔は田舎はもちろん都会でも外郭地域では稀ではなく、広い庭地などに住んでしばしば人の目にも入ったと述べる。すなわち京中でも古い屋敷内にたくさんの狐が棲んでいたのだと説明している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
科学的教養(小泉丹・小泉丹・科学論・昭和(戦中))
生物学者・小泉丹『科学的教養』(戦中刊)。国民の科学性とは科学知識の普及ではなく科学的態度であるとし、科学的・非科学的の境界を吟味したうえで、怪異談を科学的に検討する。