ランプのホヤに人面が現れたと亡者の霊だと騒ぎ立てた
どんな伝承か
信州の松本近在で、ランプのホヤに人面が現れたといって、亡者の霊だと騒ぎ立てる出来事があった。その後、尾州葉栗郡の宮本村でも、さらに大和の国山辺郡の朝和村でも、同じことが起こった。これは、ランプの心から油煙が上ってホヤを曇らせることが度々あるうち、稀にその形が人の顔を描いたように現れるもので、全く偶然の出来事である。ところが経験の範囲が狭いために、直ちに妖怪的な説明を与えてしまうのだと説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。