妾がランプのホヤに人の顔が映って睨むのを見て驚き叫び隣人に告げた
どんな伝承か
信州小諸町に住む若林時次郎の妾が、ある夜ランプのホヤに人の顔が浮かんでこちらを睨むのを見て驚き、叫んで隣人に知らせた。調べてみるとホヤの裏側に付いた油煙が、眉・目・鼻・口まで揃った人の顔の形になっており、絵師でも及ばないほど精巧に見えたという。これは光線の反射や汚れが偶然人影を浮かび上がらせた、いわゆる物理的な錯視による幽霊の一例として紹介されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。