築地の運河に棲む川獺の怪異
どんな伝承か
田中貢太郎の四巻本『日本怪談集』に収められた「築地の川獺」の一節である。田中は、小泉八雲の書いた怪談に赤坂へ出る目も鼻もないのっぺらぼうの話があることを引きながら、築地をめぐる運河の水にも数多くの川獺が棲んでいて、そこにも川獺の起こす怪異が伝わっていたと記している。八雲の系譜を明らかに引く書きぶりで、著者はここに、八雲から貢太郎へと受け継がれた日本の幽霊たちの再発見の流れを見ている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路・幽霊・文学史・昭和)