屍臭と言われた客間の匂い
どんな伝承か
ローフェが著者の家の客間へ入ってくるなり、鼻をくんくん鳴らして邪霊の匂い、つまり屍臭がすると言った。著者のように気の弱い人間はこの手の言葉に一度は引っかかる。だが屍臭ならいつも漂っていた。隣家に七世帯が同居していて便所がひどく臭く、そこへ著者の家で香を焚くから異様な匂いに変わり、かねて何度も注意を受けていたのである。ローフェはさらに、神道風の棺が夢に現れ白衣の神官が祈っていたと、もっともらしく語った。こうした思い込みが積み重なって新興宗教めいた迷いを形づくったのだと著者は振り返る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化