魔王物語 - 稲生平太郎と大熊山の妖怪
どんな伝承か
寛延年間、備後国三次郡布努村に住む十六歳の少年武士・稲生平太郎は、藩の武芸師範・吉田次郎に三年間武芸を学び「稲生の小天狗」と呼ばれていた。ある五月雨の夜、隣家の主人で元力士の権八とともに、三次郡西方にそびえる大熊山の妖怪に会ってみようと鬮引きをし、平太郎が三次殿の塚へ赴くことになった。塚のそばには俗に天狗杉と呼ばれる大杉があり、平太郎は蓑笠を着け草鞋を履いて夜道を大熊山へと向かった。この一件をきっかけに平太郎の家では大入道の襲来やポルターガイスト現象が相次いだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・明治~大正時代(編纂・出版は20世紀前半推定))
宝蔵の短刀=怨霊と祟り(日本の怪談)/幽霊の自筆・船頭の霊/義人の姿と因果応報/土佐・各地の怪異/田中貢太郎の怪談