斬っても血の出ぬ女客の正体
どんな伝承か
碁友の医者坊主から、伴天連が子供を犬に変えたり車で空を飛んだりするという噂を聞いた太郎左衛門は、泊めている女客の正体を悟った。風のある夜、腰に刀を差して女客の部屋へ忍び入り、若い女の顔を斬りつけたが少しも血が出ず、女は静かに目を開けて太郎左衛門を見た。続けて乳母の首を斬っても同じく血は流れなかった。乳母は寝返りして、「その女はお前の奥方の魂だ」と告げると、三十前後の小柄な男の姿に変わり、それは取り逃がした入留満であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(二)(田中貢太郎・日本の怪談シリーズ・明治末~大正期(推定))