自雷也と鼠宿
どんな伝承か
鼠宿は、明治七年に新地・金井・横尾の三村と合併して南条村となる前の村名で、昔はただ鼠と書いたという。この鼠が、怪盗自雷也の出身地だと伝えられてきた。自雷也は中国の小説に由来する架空の人物とみられるが、忍術がもてはやされた江戸末期に広く愛読され、やがて史実めいた民間英雄として信じられるようになり、鼠という地名の妖術めいた語感から出生地に擬されたものらしい。自雷也は九字を切り、右手の人さし指と中指を立てて呪文を唱えると煙が湧き、大きな蟇の上にあぐらをかいて巻物をくわえる姿で語られた。強きをくじき弱きを助ける振舞いが庶民の喝采を得たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌・自治体史(民俗))
『坂城町誌 上巻(自然編・民俗編)』所収の伝説。長野県坂城町に伝わる村上義清ゆかりの伝説を採録する。