渓流を流れる椿に化けた妖術者
どんな伝承か
高岡郡梼原町の田野々に、中越長左衛門という男の墓がある。長左衛門は一晩のうちに荒れ地を田畑に変え、数時間で家を建ててしまうといわれ、村人からはキリシタンの妖術者として恐れられていた。ある時、一日で石の堤を築いてみせると豪語し、夕方に村人が行ってみると堤はできあがっていた。恐れと怒りを募らせた村人は宴席に招いて毒殺を図ったが、長左衛門は自分の膳を隣とすばやく取り替え、隣の者が死んだ。次に鉄砲で撃ち、倒れた場所へ駆けつけると姿はなく、渓流を椿の花が一輪流れてきた。その花を撃つと花は消え、長左衛門の死体が流れていったという。その後、死霊の祟りで害が続いたので、田野々に墓を建てて祀ったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊大全(中岡俊哉・1970年代~1980年代)
奇怪なお菊人形(心霊大全)/心霊写真と自殺者の霊/北海道の怪奇現象/憑依と祟り/中岡俊哉の心霊蒐集