弘法の八の字
どんな伝承か
ある日、弘法さまがお越しになり、ありがたい話をしてくださった。そこで人々が、これから横吹の難所を越えて坂木宿へ行かれるのは大変だと申し上げたところ、弘法さまは筆を取り、エーッとひと声かけて傍らの岩に投げられた。するとその岩に八の字が書けていた。弘法さまは、心配はいらない、八は開くに通じる、私はどんな苦難な道も開いて通ると申され、横吹の難所を越えて行かれた。今に伝えられる弘法の八の字、または弘法の投げ筆はこれである。この岩も近くの舟つなぎ石も、信越本線が敷かれるときに壊されて今は跡形もない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌・自治体史(民俗))
『坂城町誌 上巻(自然編・民俗編)』所収の伝説。長野県坂城町に伝わる村上義清ゆかりの伝説を採録する。