王仁三郎が作った予言の御筆先
どんな伝承か
大本教の教祖には艮の金神・国常立尊の神霊が憑り移り、さまざまな予言や警告を発したと世間では言われ、そのため多くの人が帰依した。しかし著者が現地で直筆を調べたところ、教祖自身の手になる御筆先はとりとめのない乱書にすぎず、予言や天地の経綸にあたる文字は一つも見当たらなかった。『大本神諭』と題して活字で世に発表された予言めいた御筆先は、すべて出口王仁三郎が手を加えて作り上げたものだと分かったという。著者は、もてはやされる神憑りの真相はおおむねこの程度のもので、その予言を軽々しく信じると大きな間違いを招くと戒め、真の神は人に憑り移るような悪戯はしないと述べる。
原典より
然るに私が實地に就いて調査した處によると、教祖自身の手に成った所謂お筆先なるものは、極めて荒唐無稽な濫書に過ぎずして、…—— 變態心理と犯罪(中村古峽) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽)
『變態心理と犯罪』は、雑誌『變態心理』を主宰した中村古峽による変態心理学の論集である。二重人格・夢遊病・狐憑き・神隠し・催眠術を心理学の立場から解き、大本教・天理教・金光教の神懸りを妄想や人格変換として退け、霊能を称する火渡りや針刺しなどの実験の種を明かす。終わりには迷信や二重人格のからむ大正期の犯罪事件の実話を収め、著者自身の被験者や綾部の大本教訪問の見聞も例に引く。