五條天神で壷に入った少年寅吉
どんな伝承か
下谷池之端に住む庄吉の弟、寅吉は七歳のころ、卜筮を習いたいと願って断られ、鬱々と日を送っていた。ある日、いまの上野公園にあたる東山のかたわら、五條天神の近くで遊んでいると、老人が小さな壷から薬を出して売っている。日が暮れると老人は敷物も葛籠も次々に壷へ押し込み、最後は自分も中へ入って、壷ごと空へ舞い上がって消えた。翌日も同じことが起こり、三日目に老人は寅吉を手招きし、菓子でつって壷へ入れてしまう。気づけば常陸の山頂だった。老人は岩間山の天狗で、以後二年にわたり寅吉は天文や呪法、九字の作法を授かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽・大正10年代~昭和初期(推定1920年代))
二重人格の諸事例(變態心理と犯罪)/アンセル・ボーン/フェリダの交替人格/変態心理と犯罪/催眠と記憶障害/憑依とされた病理の科学的説明