冬池ユキの複数の罪障と供養
どんな伝承か
呉服商の妻・冬池ユキ(仮名・四十八歳)の話。本年五月十二三日ごろから、夫の病気を癒してもらうつもりで、春野の紹介により女行者・淺川のもとへ参詣し始めた。まず罪障として出たのは、主人の曾祖父が殺したという伏見稲荷の使姫であった。次に実家の稲荷の使姫の白蛇、続いて主人の実家の曾祖父が殺した狐と蛇、主人の妹の嫁入先の祖父が殺した山猫と狸、最後に主人の実家の父が殺した野良狐が出た。五回で七つ出た罪障のうち、最後の野良狐を除く六つは像を買って御神体を入れてもらい、自宅に祀って供養した。参詣者は盛りには五十人ほどに達し、終わりのころは皆が競うように金を納めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
變態心理と犯罪(中村古峽・大正10年代~昭和初期(推定1920年代))
二重人格の諸事例(變態心理と犯罪)/アンセル・ボーン/フェリダの交替人格/変態心理と犯罪/催眠と記憶障害/憑依とされた病理の科学的説明