夢に授かった子育の霊薬夢想丸
どんな伝承か
梅の木から尊像が現れた奇瑞が伝わると、近郷から参詣する者が次第に増えた。元和三年、住職の玄鏡がいた夜、にわかに室内が明るくなり、よい香りが満ちて薬師如来が現れた。瑠璃の壺を手にした如来は、日ごろの信心により神丹を与えるので広く難病の子どもに施せと告げ、壺の中から薬の処方を授けたところで夢が覚めた。玄鏡が教えのとおりに薬を作って病んだ子に与えると、治らない者は一人もいなかったため、遠近の村人が相次いで参詣し、子育の薬師とも呼ばれた。この薬は夢想丸といったが、その製法は今に伝わっていない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
城西風土記と昔語り(熊沢宗一・昭和初期~昭和中期)