十貫文で買った土地が名になった坂
どんな伝承か
中野長者と呼ばれた鈴木九郎は、宋銭の奇瑞をきっかけに一躍富貴の身となり、応永十年には若一王子権現の社殿を改めて熊野十二所権現を勧請した。田畑や宅地を買い集め、広い住宅を建て、倉を並べ馬場を築き、近在の住民には高利で金を貸して、数年で置き場に困るほど財を積んだという。その頃、坂の上から見渡すかぎりの土地を銭十貫文で買い取ったので、後にその坂を十貫坂と呼ぶようになった。長者の名にまつわる遺話として、今も語り継がれている地名の由来である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
行楽と史蹟の武蔵野(寺島裕・昭和初期(1920年代~1930年代))