狐に仕返した万吉の墜落死
どんな伝承か
気仙沼の沖に浮かぶ大島で、亀山を経て外浜へ抜ける道は七曲りと呼ばれる。その途中の鳥頭が浜に、明治の初め、万吉という酒好きの若者が住んでいた。彼は七曲りを通るたび狐に化かされ、谷や沢を引き回されたうえ土産の魚まで取られていた。薬師の宵祭の晩、万吉は酔ったふりで道を行き、現れた男姿の狐を縁日の掛茶屋へ誘って存分に飲み食いさせ、相手が眠り込むと、代金はあの男が持っていると茶屋に言い置いて先に帰った。翌朝、狐は正体を暴かれて打ちすえられ、命からがら逃げたという。仕返しを果たした万吉だが、二、三日後、七曲りの崖下の波打ち際で墜落死しているのを見つけられた。以来その場所を万吉ころばしと呼ぶ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮城県史 民俗編(宮城県史シリーズ・昭和中期(推定1960-1970年代))
宮城の民間信仰と禁忌(宮城県史民俗編)/禁忌を破る祟りと火玉/河童・狐狸の怪/年中行事と俗信/地域の幽霊・妖怪伝承