夢見山
どんな伝承か
夢山は、夢窓国師の蝴蝶の詠と武田信虎の瑞夢、甲斐八景の一つとして世に知られる。その頂上には夢見石という大きな石が現存する。信玄公はある日この山嶺に登り、夢見石でまどろんだ。天人のような美しい女がどこからともなく現れ、自分は三味弾きです、一曲奏でて進ぜましょうと言って、袋から数多の寄木を取り出し組み立て始めた。弾き始めようとした時に夢から醒めると、体中が蜘蛛の糸に巻かれていた。それ以来、蜘蛛はいつも信玄公の枕神に出ては戦の吉凶を占ってくれるようになり、公の没後も夢山には蜘蛛が多く、誰いうとなく「夢山の主は蜘蛛である」というようになった。この石にまどろむ者は必ず佳夢を見るとも伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。