例七=學童の神隠し
どんな伝承か
神隠しは古来、天狗の仕業とされてきた。大正五年七月二十二日、甲府市の東北端に接する相川村の相澤榮吉の長男で小学三年生の富雄は、友人の太郎と聯隊付近の山へ花摘みに出かけた。正午過ぎに太郎だけが戻り富雄は姿を消し、村中総出で山探しをするうち、同日午後六時頃、長野県西筑摩郡日義村の宮ノ越付近で迷子になっているところを保護したとの知らせが届いた。相川村から宮ノ越までは三十里ほど離れ、徒歩で数時間では着けない距離である。発見時、富雄の草履の緒には「相川尋三」と記されていた。富雄自身は、誰かに手を引かれるか抱かれるように感じた後の記憶がなく、気づくと山中で道に迷っていたのだと語ったという。
原典より
神隠しと云ふのは、昔から天狗の所爲に限つたことである。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前))