甲府
どんな伝承か
日露戦争に参加したある兵士は、戦後再役して軍曹に進級し、演習を指揮する分隊長になった。演習の際、緊張のあまり逸ってしまう部下に向かって「弾丸は空砲だ、敵は味方だ、急くな急ぐな」と繰り返し言い聞かせて落ち着かせたという。後にその人は昇進を重ね、ついには中隊長にまでなった。退役してからも、この演習でのやりとりの逸話は地域で長く語り継がれていたという。話者は山梨県在住の鈴木富治。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 軍隊(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 軍隊』を小話単位で全712話収録。徴兵・新兵・上官・戦地・戦争の残虐・敗戦・収容所・軍隊の怪談など、軍隊と戦争にまつわる兵士たちの現代民話を全国(一部は戦地・海外)から採集し話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明189話・市区町村判明76話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。