穴切神社蹴裂明神
どんな伝承か
甲斐甲府の地は、昔、一面の湖水であって、冷たい水の面が富士の頂を逆様に映していた。地蔵菩薩がこの土地の様子を見て、水を除けて陸地を造れば人も住まれよう畑も出来ようと二人の神に相談された。神々は道理と賛成し、一人の神が山の端を蹴破り、いま一人の神が山を切り開いて一条の水路を通し、大湖水の水を今の富士川へ落とされた。それを見た不動尊も河瀬を造られた。この二仏二神のおかげで甲府の土地は現れたという。山を切り開いた神は甲府市の西に穴切神社として祀られ、山を蹴破った神は蹴裂明神として知られる。はじめに言い出した地蔵は、今甲府の東光寺にある稲積地蔵で、もとは法城寺にあったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第5巻』所収の「文化叙事伝説」全104話(千葉・山梨・神奈川・埼玉・東京=関東甲信)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。