原の仏御前
どんな伝承か
石川県石川郡吉野谷村木滑(現白山市)に伝わる。仏御前が瀬戸まで来たとき産気づき、休ませてくれるよう頼んだが村人に断られた。木滑へ来る途中、梅を干している婆さんに梅を乞うたが、こんな大事なものはやれぬと断られ、それ以来木滑には梅がならなくなったという。木滑では、路傍の石に寄りかかって産をする仏御前を気の毒に思った老女たちが蚊を払い、産を取り上げた。感謝した仏御前は礼に一里四方に蚊がいないようにし、この村の娘が父親無し子を産まぬようにしたという。仏御前は原へ帰って茶屋を営んだが、男たちが通うのを嫉妬した女房たちに裏山で殺された。その祟りで原の女の臨産になまぬるい風が吹き、ボンボ風と呼ぶ。大洪水で裏山から土砂が流れ出しても産石は流されなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。