原の仏御前
どんな伝承か
加賀国能美郡の山あいに、原という五、六十戸の百姓家が散らばる村がある。平家全盛のころ、加賀に生まれた仏御前は都に上って清盛入道の寵愛を受け栄華を極めたが、世の無常を感じて故郷のこの原村に隠れ住んだ。村人の情けで道端に小さな茶屋を建て酒肴を売ると、近村の若い男から白髪の老人までが押しかけ、夜を日に継いで居続けるようになった。これを妬んだ村の女房たちが相談のうえ茶屋に押しかけ、仏御前をねじ伏せて殺してしまった。仏御前は身重であった。その祟りか、以来この村の女が昼のうちに産をすると必ず天候が変わって大風が起こる。これを原風と呼び、昼間の出産には産室に屛風を立て回して夜のように暗くするという。
原典より
加賀国能美郡の山間に西尾という村があります。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第6巻』所収の「文化叙事伝説」全44話(福井・富山・石川=北陸)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。