真海谷川へ流す十二日目の疱瘡送り
どんな伝承か
河内村では、種痘をしてから十二日のあいだ体内に疱瘡の神がいると考えた。十二日目には風呂の水を三滴落とした桟俵に菓子と赤飯を供えて川へ流し、これを疱瘡流しと呼んだ。別のやり方では、桟俵を子どもの頭にのせ、たらいで手足を洗ってやって、その湯を手ですくい桟俵へ入れるまねをする。そのうえに赤飯をのせ、神さんを送らねばならないと唱えながら、子ども自身が真海谷川まで流しに行ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・昭和(1988))
民俗学者・佐々木勝が全国の民俗調査をもとに厄除け・厄払いの習俗を日本人の霊魂観から論じた研究書(昭和六十三年)。祖霊信仰・霊魂信仰・厄神信仰を背景に、防塞系呪術(防御型・鎮送型・攻撃型・潔斎型)と祭祀系呪術(供物型・奉迎型)に呪術を類型化する。本文は〔事例〕番号付きで全国各地の具体的習俗を多数収める。