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狐持ちとされた新興の行商人

所在地島根県出雲市湖陵町
年代近世〜昭和(狐持ち迷信)
登場速水保孝、出雲の人々
出典出雲の迷信

どんな伝承か

神西湖のほとりの湖陵町は、出雲でも狐持ちの分布がとりわけ濃く、町の大半が黒とされた土地である。寛政三年に人狐の禁令が出る直接のきっかけとなった二部村の事件もここで起きた。ただし海沿いの西浜に騒動が及ぶのは明治三十年代になってからだった。白砂青松の砂丘地帯では半農半漁では食えず、村人は天秤棒をかついで木綿や反物の行商に出て、西浜商人の名を高めていく。大池川の向こうの一等地には土着の三原屋があり、新開地の川尻には新興の醤油屋と分家の川崎屋があって、後者が狐持ちとして疎外された。

原典より

白砂青松の砂丘地帯では、半農半漁ではとても食えない。—— 出雲の迷信(速水保孝・速水保孝・憑きもの研究・昭和(1970年代)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

出雲の迷信(速水保孝・速水保孝・憑きもの研究・昭和(1970年代))

速水保孝『出雲の迷信』。自ら狐持ちの家に生まれた著者が、出雲・隠岐・伯耆の狐持ち迷信を、家筋の系譜・近世史料・社会経済史の観点から徹底的に解明した憑きもの研究の集大成。第一章では自家が狐持ちとされた悲しみ・隔地心中事件・叔母の嫁入り口の差別を語り、第二章で憑き・狐憑き患者・人狐と狐持ち・おさき・くだ・いづな・とうびょうを概観する。第三章では犬神統の部落・上馬荷の人々・犬神使いの歴史・四国と豊後の犬神を追う。

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