親類が来ぬ披露宴に立てた仮親
どんな伝承か
出雲市で聞き取りに応じたV氏は、姪の縁談について語った。仮に幸子と呼ばれるその姪は、〈クロ〉すなわち筋とされる家の青年と三、四年越しに想い合い、ようやく所帯を持つことになる。V氏の側の親類はこぞって反対したが、彼はなんとかまとめてやろうと考え、自ら媒酌人を引き受けた。ところが式の当日、〈シロ〉である身内は誰ひとり姿を見せなかった。そこで親代わりを別に立て、市の体育館を借りて披露宴を開いたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの(吉田禎吾・民俗・憑きもの研究・昭和)