婿養子TI家の縁切り
どんな伝承か
HC家の二戸の分家のうち、一戸はHM家、もう一戸は姓の異なるTI家である。TI家の当主TI氏によれば、その先祖のD氏が、HC家の三代目の娘の婿となり、娘分家という形で財産を分けてもらって成立したという。D氏は、元禄六年(一六九三)によそからこの部落に分家してきたTJ家の息子だったらしく、TJ家はずっと「シロ」であった。D氏はHC家の娘と恋愛したが、「筋道が違う」ために結婚を許されず、TJ家のほうから「縁切り」された。娘の親は娘を不憫に思い、土地を分け与えてHC家の分家とした。当時、地主として入植してきたHC家は全盛時代でキツネモチとされたころだったので、D氏の家(TI家)は「クロ」になったのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの(吉田禎吾・民俗・憑きもの研究・昭和)