教壇で筋を問われる安来の高校教師
どんな伝承か
島根県安来市のT部落で聞き取りに応じたTJ氏は、農業のかたわら高校で教壇に立っていた。この家はずっと『シロ』、つまり筋ではない側とされてきた家である。ところが学校では、何気なく口にした言葉が、お前はキツネモチだと当てこすられたのだと生徒に受け取られ、後から抗議されることがある。なぜ筋の違いなどというものがあるのかと、わざわざ尋ねに来る生徒もいた。そのたびに考えさせられる、と教師は語った。憑きもの筋の観念が、戦後の学校のなかにまで残っていたことを示す証言である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの(吉田禎吾・民俗・憑きもの研究・昭和)