清盛と貴狐天王
どんな伝承か
浄海入道平清盛が蓮台野で大きな狐を追い出し、弓手につけて射ようとすると、狐はたちまち黄衣の女に変じ、にっこりと笑って立ち向かい、我が命を助けてくれるなら汝の所望を叶えようと言った。清盛が矢を外し、いかなる人かと問うと、女は我は七十四道中の王であると答えた。さては貴狐天王におわすかと馬から下りて敬屈すると、女はまた元の狐となり、こうこうと鳴いて失せた。清盛は、財宝に飢えるのは荒神の所為であり、今の貴狐天王は妙音の一つであるから荼枳尼天の法を成就すべきだと考えて、その法を行ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。