狐の玉を取った侍を守る狐
どんな伝承か
『今昔物語』の話。物の怪の病む所で、女に憑いた狐が「自分は狐で、祟るために来たのではない」と言い、懐から白い小柑子ほどの玉を取り出して打ち上げていた。傍にいた勇み肌の若侍が、その玉をとっさに奪って懐に入れると、狐は「返してくれ、返せば神のように付き添って守る」と切に乞うた。侍が玉を返すと、狐は繰り返し礼をして受け取った。後日、侍が太秦へ参って帰る夜道、応天門のあたりで恐ろしくなり「狐々」と呼ぶと、狐が現れた。狐は盗人の潜む道理の道を避けさせ、別の道を通らせて、侍を無事に家まで送り、その後も常に付き添って多く助けたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。