百鬼夜行と九条師資
どんな伝承か
平安朝になって初めて現れたものに百鬼夜行がある。これはすべての人に見えることもあり、一部の人にしか見えぬこともある。『大鏡』に載る話でも、九条師資には百鬼夜行が見えたが、その従者には見えなかったという。夜更けに内裏から出て、大宮より南へ向かう途中、師資は突然、御車の簾を垂れさせ、牛をかき下ろすよう急がせた。御随身が不審に思って車のもとに近づくと、師資は下簾をきちんと引き垂れ、笏をとってうつ伏し、いみじく人にかしこまり申すような様子でおられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。