移された荒神の御神体の椎の木
どんな伝承か
大塚町の黒目の荒神さんは、本家を含む三軒の同族で祀られている。御神体は大歳神社のそばに立つ椎の木で、もとは西の町内にあったものを、粗忽が起きてはならないという理由から今の場所へ動かしたという。祀りは年に一度、十一月から十二月にかけて注連縄を掛け替える形で行われる。日取りは定めず、それぞれの家の都合で決める。当日の午後、三軒が当番の家の納屋に集まって藁で蛇をこしらえ、棒に担いで運び、木に巻きつけたうえで、御幣を差した竹を三本立てて拝み、当番の家へ戻ってふるまいを受ける。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
島根県出雲市大塚町民俗調査報告書――俗信・憑きもの(出雲市(編)・自治体史(民俗))
『島根県出雲市大塚町民俗調査報告書』所収の俗信・憑きもの・民間療法。出雲平野の大塚町に伝わる心意現象を採録する。カラスの鳴き声で天候を読むアレガラスの予兆、イチヂク・ビワを植えぬ・便所に南天を植える屋敷の禁忌、キツネに憑かれることを『サバラレル』という狐憑き、繁盛するゆえ嫉まれ村八分で結婚に難のあった憑きもの筋『キツネモチ』、着物の裾を結わいたり小豆を井戸に落とすものもらいの呪術的民間療法などを収める。