**岡山県久米郡久米町**
どんな伝承か
三人の息子がみな戦争にとられた母は、戦地で腹をすかせてはいないかと三度の食事を陰膳にし、無事の帰還を願って近くの荒神様へ毎朝暗いうちから裸足参りをしていた。ある日、いつものように暗いうちに社殿のまわりを拝んで回っていると、突然ドカーンという大きな音がした。息子に何事か起こったのではと祈って帰った。しばらくして二番目の息子操の戦死公報が入り、その戦死の日が荒神様で大きな音がした日と同じだった。もう一人の息子荘一も戦死し、満州で死んだ弟の折には屋根の棟にカラスが来て鳴いて知らせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。