土塀に開けた魔物の抜け穴
どんな伝承か
ナメラスジは、狼や狐狸のような怪しいけものが行き通う道とされ、その筋にかかる土地に家を建てることは古くから忌まれてきた。多くは集落の周縁を通るが、まれに市街地を貫いていることもある。津山市のある民家では、庭先をちょうどナメラスジが横切っていた。そこで家人は、魔物が通るのを妨げてはならないと考え、土塀の一部を切り取って抜け穴をこしらえていたという。追い払うのではなく、通り道を確保して共に暮らそうとした工夫である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・1996年-2004年(取材期間に基づく推定))
魔王の木槌を求めて=稲生物怪録(妖怪伝説奇聞)/稲生平太郎の妖怪変化体験/一ツ目巨人・逆さ生首・化け蝦蟇/三次・比熊山の妖怪伝説/各地の妖怪奇聞