二十四番地の一角に響く夜ごとの音
どんな伝承か
昭和五十八年の暮れ、十二月二十四日ごろから十日ほどのあいだ、港区赤坂二丁目二十四番地の一角だけで、毎晩ドンドンという音が鳴り続けた。そこは高速道路の下が一般道になっている辻のあたりで、調べたところ、高速の継ぎ目を車が越えるたびに生じる音が、道端に立つ中空の柱へ入り込んで反響しているらしいとわかった。ただし、同じ造りは他所にもあるのに、なぜこの一角だけが鳴るのかは説明がつかないままだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・宮田登が、妖怪を『日本の見えない空間』の問題として論じた現代民俗学の名著。Ⅰ妖怪のとらえ方では、柳田国男『妖怪談義』の妖怪論(妖怪は出る場所が決まり、零落した神)と、幽霊(都市の人間関係から相手を追って出る)との区別、昭和五十四年に流行した口裂け女(受験社会で母に叱られる子供の心意の投影、『喰わず女房』の鬼女の再来)と産女、島根県松江の雲州皿屋敷のお菊、明治の井上円了の妖怪学と真怪・仮怪の分類を扱う。