好色灯台
どんな伝承か
十日町の中ほど、傍の川辺に古い石灯籠が一基あり、火袋の中に六地蔵を置き、台までは六角、柱石から下は丸い。笠石の裏には「永享二年好色師奥州住秀鶴」と記されている。奥州の好色師が京をめざしてこのあたりまで来たとき、美しい女が名主らしい者に引かれて行くのに出会った。貢米質にしてはあでやかで、あまりに痛々しいので、立ち寄って貢米の料を払い女を助けた。女は涙ながらに、自分は配流になった貴人の姫で、かどわかされて百姓のもとに憂き日を送ってきたと語った。好色師は悟りの道に入り、女を館へ送り届け、その紀念に建てたのがこの灯台だという。
原典より
十日町の中程、傍の川辺に、古い石灯籠一基(灯籠を、二基対にして立てる事は、新らしい事で古くは一基を常とした。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗))
『南佐久郡誌 民俗編』第十三章所収の伝説・世間話。長野県南佐久郡に伝わる口承を採録する。