馬坂と「まさか」
どんな伝承か
田口の殿様と富岡の殿様が境を決めるとき、朝、一番鶏が鳴いたら城を出発し、二人が出会ったところを境にすることにした。田口の殿様は鶏が早く鳴くようにと家来に言いつけ、家来は鶏の止まり木を節を抜いた竹に変え、朝早く起きて湯を竹の穴に流した。そこで鶏が鳴き、田口の殿様はさっそく出発した。田口峠を越えてどんどん行くと、ある部落のところで富岡の殿様と出会った。富岡の殿様は「まさか、ここで出会うとは」といって驚いた。この土地をそれから「まさか」と呼ぶようになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗))
『南佐久郡誌 民俗編』第十三章所収の伝説・世間話。長野県南佐久郡に伝わる口承を採録する。