初夢
どんな伝承か
昔、あるところに大尽がいて、番頭を五人も六人も使っていた。正月二日の晩、よい初夢を見るようにと紙で宝船をたたみ、歌を書いて枕の下に敷いて寝るよう言いつけ、翌朝は見た夢を語れ、語らぬ者は庭の松の木に結いつけるぞと申し渡した。朝、みな順に語ったが、一番下の小僧だけが語らず、松の木に結いつけられた。そこへ天狗が来て一尺ばかりの棒を与え、この棒を持って飛べという。小僧が百里飛ぶとよい村へ出て、田んぼで名馬が動かなくなり人が騒いでいた。娘の婿にするという約束で棒でさすると馬は起き上がり、小僧は本当にその家の婿となった。夢のとおりであったので、よい夢は語るなというのだという。
原典より
昔、あるところにお大尽がいたそうだ。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌・自治体史(民俗))
『南佐久郡誌 民俗編』第十三章所収の伝説・世間話。長野県南佐久郡に伝わる口承を採録する。