七曲がり渕の主
どんな伝承か
馬流の集落の南端に七曲がりと呼ばれる土地があり、昔は街道の坂道がくねくねと曲がっていたことからその名が付いたという。その下手には七曲がり渕という大きな淵があった。淵には主が棲んでいて、村で寄り合いがあるときに夜のうちに頼みに行くと、翌朝には淵の岩の上に膳や椀がそろえて置かれていた。使い終われば夜に礼を述べて元の場所へ戻したが、あるとき膳の脚を壊したまま返した者がいて、それ以後は誰が頼んでも貸してもらえなくなったと伝わる。
原典より
このふちには主がいて村の寄り合いごとでもある時には、ぜんやわんを貸してくれた。—— 南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話(南佐久郡(編)・南佐久郡誌)
『南佐久郡誌 民俗編――伝説・世間話』は、長野県南佐久郡の郡誌民俗編から、第十三章「伝説と歌謡」の昔話・伝説・世間話の部分を収めたものである。郡内に伝わる鳥呑み爺や古屋のもりなど十一話の昔話、離山・白駒の池・おかんばあさんなどの伝説、光り物・あずきとぎ・天狗・かっぱ・狐火・家つき童子などの世間話を集める。伝説の後半には藤沢衛彦編『日本伝説叢書・信濃の巻』から佐久に関わる話を原文のまま引き、世間話は話題ごとに体験談を並べる。